私は前世、戦場で死んだー。
これでやっと休めると思ったら、次の瞬間には生まれ変わっていた。
なんだと!?少しは休ませて欲しいのである!
それになんということか!
生まれた世界は、前世とはまったく異なっていたのである!
そこには馬もつけずに高速で走る乗り物、車なるもの。
金属の平面に、人間が入り込み情報を無限に発するもの、テレビなるもの。
私が驚愕する数々の文明の利器が、この世界にはあったのである!
この世界でなら、前世死ぬ直前に思った願いがなせるかもしれない!
何かなしたかったという、曖昧な望みがな!
はははは!
曖昧な望み!大いに結構である!
私はその望みを胸に奮い立つ!
私は早くからの努力を惜しまない!
そう、赤子からでもだ!
……そう思っていた時もあったのである。
その気持ちは忘れてはいない。
けれど、この世界を楽しまねば、生まれてきた意味なし!
せっかく自由な世界に生まれてきたのである!
少しはのんびりしても問題なかろう?
はっ!父よ!今なんと!本家からの招待状(命令書)が届いた!?
本家の跡取り息子、7才の許嫁を選ぶ為、儀式に18才までの分家の女子は全員参加せよ!?
分家である我が家灰咲家。私は5才。本家の命令は絶対である。
断ることなどできはしない。きな臭くなってきたのである。
が、父曰く、我が家は分家序列最下位。
その上、末流の末であるとのこと。
ならば、許嫁に選ばれる可能性は限りなく低かろう!
よかろう!若君の許嫁を選ぶ儀式とやらに参加しようではないか!
5才になり、初めての遠出、新しい情報が満載に得られよう!
そして!本家は金持ちであると聞いている。我が家では食べられぬ美味なるものが、私を待っていよう!
それらを存分に味わいに行くのである!
ああ!!何事であるか!?予定外の事が起ったようである!
本家の方々、速やかな解決をお願いする!
え!?無理そう!?
仕方ないのである!私が手を貸そうではないか!!