「我々は400年前にいるのか」
1941年12月、大東亜戦争開戦に伴い、マレー、フィリピン制圧のために、海上移動していた大日本帝国陸海軍、皇軍の諸部隊は驚愕することになった。
状況の異変を把握し、更に情報収集に努めるのにも、中々皇軍は手間取ってしまい、1541年12月にいることが、ようやく分かった。
取りあえず、フィリピンを仮の根拠地にした皇軍の主力は、祖国の日本を目指す。
戦国時代の戦乱の下にあり、困窮している天皇陛下をお救いし、衰微している国体を回復するために。
そして、この出来事は、当時の日本に割拠していた諸勢力にも多大な影響を与え、更に世界にも徐々に影響を与えることになり、歴史を大きく変えていった。
また、その皇軍の中には、上里松一という海軍少尉がいた。
対米戦の中で戦死を覚悟していた彼は、戦国時代に生きる中で家族を作り、更にその家族が更なる人とのつながりを育んでいく。
その中には、史実で名を馳せた人物もいることになる。
例えば、織田信長や伊達輝宗、近衛前久等と言った面々であり、終には皇室とも上里家は関わることになる。
そうしたことから、結果的にそういったつながりから、上里松一とその妻子や孫を始めとする一族の面々は、この世界の動きに翻弄される人生を歩むことになる。
更に「皇軍来訪」に伴って、日本及び世界史が大きく変わり、日本の植民地の大規模な拡大が起きて、終には日本の北米植民地の独立戦争、更にはローマ帝国の復興から東西教会の合同等の多大なバタフライ効果が世界中で起きる中、上里家の一族は、こういった流れをある時は促進し、ある時は掉さそうとし、懸命に自らの信念に従って動かざるを得なくなり、時としては、上里家の一族同士が敵対する悲劇が起きる。
そんな運命に翻弄されて、上里家の一族はどんな運命をそれぞれが歩んでいくのか。
その一方で、史実で名を馳せた人物の多くも、又、史実とは大きく異なる人生を歩むことになっていく。
そんな80年余りを描いた大河小説です。