伯爵家の四男として生まれたリオンは四年前の七歳の時以来、ある強迫観念に囚われていた。
落馬事故で前世の記憶が蘇った彼は自分が転生者であると知り、過酷な運命が待ち受けていると思い込んだのである。
リオンの浅はかな「異世界転生」の知識によれば、転生者は魔王やドラゴン、悪魔といった強大な敵と戦わなくてはならない。
それは恐怖でしかなかった。だって痛いのは嫌だし、死ぬのはもっと嫌だから。
それで彼は思った。だったら防御を極めればいいじゃない、と。
リオンは前世の知識を駆使して常識を覆すような魔法を作り出していく。だがそのせいで、様々な事件に巻き込まれ、時には自ら飛び込むことになる。
リオンに待ち受ける運命とは? 彼は望み通りに大切な人と平穏な暮らしを手に入れることが出来るのか?
これは、一人の少年が自分の知識で魔法を追求し、挙句世界の危機を救う羽目になる物語である。
※作中の科学的記述は、作者の勘違いや思い込みのため誤っている可能性が十分にあります。そこはファンタジーだと思って温かい目で見過ごしてください。
※カクヨムにも投降しています。