元亀元年、織田信長の弟・信興は、一向一揆の猛攻により小木江城で非業の死を遂げた。……はずだった。
目覚めると、そこは天文二十年。父・信秀の死の直前、十歳の幼少期へと時を遡っていた。
かつての人生で見たのは、孤独な魔王へと突き進む兄・信長と、内紛で次々と散っていく一族の無惨な姿。
「二度と、あのような地獄は見せぬ。へまはせぬ」
一角の武将の記憶と、未来の知識を宿した十歳の少年は、自分自身を鍛え直し、兄の信頼を得、兄の孤独を排除すべく立ち上がる。
まずは父の最期、末森城を焦がす黄金の光の中で、彼は新たな歴史の産声を上げる。