異世界転生した先がスラムで死にかけていた少女マナは、偶然通りかかった王女ルティアに救われた。
優しく微笑み、迷いなく手を差し伸べてくれたその姿を、マナは生涯忘れないと誓う。
その恩を返すため、メイドとして仕え、ただ一人、彼女に尽くす日々を送っていた。
だがある日、王女は暗殺され、マナもまた命を落とす。
次に目を覚ますと、時間はメイドになったあの日へと巻き戻っていた。
死に戻りの力を得たマナは、今度こそ王女を守ろうと奔走する。
何度も失敗し、何度も殺されながらも、ただルティアの生存だけを願って。
しかし、懸命な努力の果てに気づいた。
――そのすべてを、ルティアは知っていたのだ。
「私のせいで、そんな辛い思いを……。もうやめて。今度は、私があなたを守らなくちゃいけないのにっ」
曇りきった瞳でそう告げる王女の姿に、マナは悟る。
自分が彼女を救おうとした行為そのものが、彼女の心を追い詰めていたことを。
それでもマナは決める。
これ以上、ルティアに死の痛みを味わわせないために――自分が先に死ぬと。
「私がルティア様を絶対に守ります。この身に変えても!」
「そんな事言わないで! あなたが傷つく必要はないわ! 私が、私がその痛みを背負うから! だから、目の前で死ぬのは止めて!」
だがその選択は、王女の感情をさらに重く、深く、歪ませていく。
ただ守りたかっただけなのに。
曇らせたくなんて、なかったのに。