侯爵令嬢ヘスティア・オルドリッジは、王太子妃候補の一人として育てられてきた。
誰もが将来を約束された令嬢と見なす中、彼女だけはその未来に違和感を抱いていた。
そんな折、兄の友人である伯爵家三男ディノ・フィデルと出会う。
王宮の誰とも違う彼に惹かれたヘスティアは、王太子妃に選ばれれば想いは叶わないと考え、自ら候補から外れるために動き始める。
一方ディノもまた、身分違いの恋を諦めきれず、彼女に相応しい立場を得るため静かに歩みを進めていた。
互いの想いも行動も知らぬまま、目的のために奔走する二人。
しかし、その選択は不思議なほどに噛み合い、見えない糸で手を取り合うように、互いを支え合っていく。
この奇妙に連動した彼らの策略は、やがて本人たちの与り知らぬところで、貴族社会の勢力図さえも塗り替えていくことになる。
これは、本来交わるはずのなかった二人が、それぞれの拗れた恋心を抱えながら、巡り巡って同じ未来へ辿り着くまでの縁談の記録である。
ヘスティア編21話
ディノ編10話
合計31話で完結