土木技術者として過労死した青年・黒崎翔太は、大陸最大の王国の伯爵家三男、カイル・ヴェルムントとして転生した。しかし魔術適性は最低ランク。兄たちの継承争いに巻き込まれ、"厄介払い"として魔素汚染が進む辺境領ヴァルデンの領主に任じられる。
魔素汚染——魔物が湧き、作物は枯れ、人は病む死の大地。誰もが左遷と憐れんだ。だがカイルの目には、汚染された大地が全く違って映っていた。転生時に得た唯一のスキル【構造解析】が示す情報。魔素は毒ではない。超高密度の魔力資源だ。
前世の土木知識と【構造解析】を組み合わせ、魔素を動力源にしたインフラを設計する。浄水施設、魔素炉、魔導街灯——誰もが見捨てた廃領地が、王都すら凌ぐ魔導都市へと変貌を始める。
「この土地に来たい人、全員受け入れます」
追放された者、行き場のない亜人、故郷を失った難民。他の領地が切り捨てた人材が、ヴァルデンに集まり始める。やがて王国中がこの辺境の異変に気づいた時、カイルの領地はもう誰にも止められない規模に成長していた。