―漢字が魔法になったら、あなたは何を使いますか?―
「魔法とは、指先で漢字を描くこと」。
それがこの世界の常識であり、その技術こそが人の階級を決定づける全てだった。
父親に孤児院に預けられた少年:エルは、7歳の洗礼式で教会の女神像に刻まれた箱型の彫刻に彫られた
『漢字辞典』
という文字を見た瞬間、彼の中に前世の記憶が蘇る。
俺が転生したのは漢字を魔法として扱う世界だった。
人々は『火』『水』『風』など様々な文字で生活を支え、その才能によって人生を大きく左右される。
魔法が使えない者は無能の烙印を押され、家族や社会から見放される。才能に恵まれた孤児と、才能を持たない孤児。
日本人だった記憶を持つエルは、誰よりも多くの漢字を知っていた。
しかし、魔法には誰も気づいていない法則が存在していた。
漢字辞典を神聖視する世界に隠された秘密とは何なのか。
努力では越えられない壁を前にした時、才能を持つ者は何ができるのか。
これは漢字が魔法になる世界で、孤児たちが居場所を見つけていく物語。
カクヨムでも投稿予定です。