小説を読んでいたはずだった。
気づけば私は、滅びへ向かう物語の世界に立っていた。
しかも──主人公の姉・エレーヌとして。
この国ミィアスは、やがて滅びる。
王は命を落とし、呪いが広がり、多くの人々が救われないまま散っていく。
そして私は、未来で“死ぬ運命の人物”だった。
原作通りに進めば、待っているのはメリーバッドエンド。
──そんな結末、受け入れられるはずがない。
物語を知ってしまった私は、
姉という立場から、定められた筋書きの改変に踏み出す。
たとえ相手が神であっても、
たとえ運命そのものが敵であっても。
これは、破滅へ向かう世界で
「生きるため」に未来を書き換える者の物語。