「来世では、もっと自由に、もっと傍若無人に生きたい」
病室で生涯を終えた少女が転生したのは、魔王級の魔力と、どれだけ動いても疲れない最強の肉体を持つ辺境伯令嬢レヴィーネ。
彼女が選んだ道は、乙女ゲームのヒロインでも聖女でもない――前世で憧れたプロレスの「悪役(ヒール)」だった!
極寒の地「獣の穴」で地獄の修行を経て、彼女が手に入れた相棒は、ドワーフの秘法と自身の魔力で焼き直した、物理最強・黒鋼製の「パイプ椅子」。
「魔法?
チートスキル?
聖女の洗脳?
……悪いけど、わたしの筋肉と『パイプ椅子』の前では、すべて紙切れ同然よ」
生意気な魔導師の詠唱は顔面ドロップキックで中断させ、無敵を誇る騎士の鎧は椅子攻撃で粉砕し、国の裏で糸引く陰謀はちゃんこ鍋とスクワットで吹き飛ばす!
これは、優雅なドレスの下に筋肉を隠し持った最強令嬢が、舐めてかかってくる敵を物理(質量)で教育的指導していく、痛快な覇道録。