『勘違いから始まる銀河帝国
~誰も信じてくれない、俺はただの平社員です~』
「アラン様、新皇帝としての初勅令を」
「いや、俺ただの左遷組なんだけど」
「マスター、敵艦隊を殲滅しますか?」
「待て待て、交渉で何とかならんのか!?」
「主よ、我が剣を捧げます」
「だから俺、敵じゃないって!」
――全員、勘違いしている。
俺、アラン・スミシーは、ただの元ブラック企業社員。
左遷先のゴミ惑星で、たまたま古代要塞を起動しただけ。
なのに、古代AIは俺を「新皇帝」と呼び、
拾った美少女は俺を「救世主」と崇め、
元敵の騎士は俺に「忠誠」を誓う。
違う、俺がやったのは――
ゴミをリサイクルして武器にしただけだ!
エクセルで物資管理しただけだ!
交渉で時間稼いだだけだ!
なのになぜ、みんな俺を英雄扱いするんだ!?
勘違いと誤解が重なり、気づけば「リサイクル・ユニオン」という組織のトップに。
俺はただ、定時で帰りたいだけなのに……!