あらすじ(短縮版)
記憶を失った少年が、大きなネズミの姿で目覚める。
異能が支配する世界で〝未知の花〟を宿し、やがて神になる物語。
あらすじ(通常版)
目覚めたとき、少年は大きなネズミの姿となっていた。
記憶も名前も失い、辿り着いたのは──異能者〈羅刹〉が支配する暮梨村。
羅刹とは、鮮花(あざばな)と呼ばれる花を肉体に宿し、異能力を振るう者たち。
少年にもまた、正体不明の鮮花が宿っているという。
そして、おもしろき者と認められた少年。
神として君臨する最強の神・香梨紅子の養子として迎えられ、
少女ザクロと美しき姉妹たちと共に、暮梨村での日々を過ごしてゆく。
しかし、あらゆる異変が少年の前で巻き起こる。
香梨紅子を狂信する村の住人と、流血を伴う戒律。
苛烈な争いを繰り返す、香梨紅子の娘たち。
頭の中に響く『お母さんを許して』と、縋るような声。
そして、そんな混沌の中、少年もまた闘争に身を投じ、あらゆる選択を迫られる。
人か、獣か、花か、神か。
少年は祈りと共に駆ける、花へと繋がる獣道を──。