後宮は、異術渦巻く華の園ーー。
異術を操る特殊な家系に生まれながら、術を持たない“能無し”として虐げられてきた少女・藍柊月(らん
しゅうげつ)。
異術者である妹の桃春(とうしゅん)ばかり両親に贔屓にされ、下女ような生活をしていた。
しかし、したたかな柊月には誰にも明かしていない秘密があった。
それは本当は柊月が術者であるということ、そして“触った人間の心を読む”という特殊な術を持っていることだった。
この秘密を美貌の皇太子、黄悧珀(こうりはく)に知られたとき、柊月の世界は一変する。
実家から不要の子として捨てられ、妹の侍女として後宮で働かされる柊月。夢の田舎暮らし、隠居暮らしを胸に奮闘していた柊月が、ひょんなことから悧珀のお飾りの妃として後宮へ入ることになってしまい……?
今更私のことが必要と言っても、もう遅い!
人の心が読める厄介な異術と付き合いながら、後宮の人間関係やら確執やら厄介な妃達と格闘する柊月の奮闘記!