貧乏男爵家の長女シャーロットは、魔力ゼロと判定された。
両親は才能がある妹エミリアにばかり期待に期待を寄せ、シャーロットに関しては、明確には言わないまでも”貴族としては役に立たない”と思っている。
しかしある日、シャーロットは、唯一の取り柄である「刺繍」にだけ、謎の魔力が宿ることを発見し――――
彼女の刺繍が“縫った模様に応じて小さな奇跡を起こす”能力を秘めていたことを知る。
——たとえば、ある模様は植物を癒やし、またある模様はその人を加護するといったように・・・
魔法がなく貴族学院にも通えなかった彼女だが、
偶然シャーロットの刺繍によって大怪我から救われた若き宰相補佐が興味を示す。
やがて王国を襲う“魔性の疫病”を浄化できる唯一の手段が、シャーロットの刺繍だけであると判明し―――
「魔力ゼロの落ちこぼれ令嬢」が、
“刺繍という一芸で世界を救う”中編小説。
ご都合主義のため、設定には粗がありますことご了承ください。