前世の記憶を持つ少女ルシアは、水公爵家の令嬢として生まれ変わる。
ルシアの黒髪黒目は、この国では闇の色として忌まれる一方、世界を救うという神託の乙女の特徴でもあった。
七歳の魔法鑑定で六つの属性に強い反応を示して以来、ルシアは「神子候補」として人々の期待を集めている。
けれど、ルシアがしたいのは、今そばにいる人たちの役に立つこと。
領地では給水所の整備や石鹸の普及に取り組み、多くの人に行き届く仕組みを考える。十歳からは友人たちと学院で学び、自分にできることを増やしていく。
だが、皇宮や教会、貴族たちは神子候補を巡って思惑をぶつけ合う。
ルシアの「役に立ちたい」という願いと、人々が神子に求める「世界を救う」という役目。その二つが重なった先に何が待つのか、ルシアはまだ知らない。