かつて男は運悪く時空の狭間に落ちた。動くことも死ぬこともできずに長き苦痛と絶望の果てに自我すら失いかけ、ただ終焉を望んだ。
世界を渡る存在の気まぐれにより介錯され終わりを迎えようとする刹那、深い安堵と共に「何もできなかった」ことを時遅くも後悔している自分に気が付いた。
さらなる気まぐれにより、男は記憶を失い見知らぬ場所で目覚める。
そこは多種多様な種族が住み、そして少しずつ終焉に向かっている世界。
一度は終わった男の手には誇示するように、導くように、旗が掲げられていた。
※伝説のシャベル
https://ncode.syosetu.com/n5217cf/と世界観を共有しています。(特に前作を読まなくてもお楽しみいただけます)