婚期を過ぎても結婚せず、「ヴィンテージレディーン」と陰口を叩かれていたコレット・ボルダコリー。
そんな彼女が、ある日突然シルベリアン公爵家へ嫁ぐことになる。
しかし結婚式当日、夫に告げられたのは「森の奥の離れで暮らせ。名前だけ貸してくれ」という理不尽な一言だった。
なんとか森を抜ければ、あるのは小さな小屋一つ。
調理場も井戸もない。
あるのは“離れ”とは名ばかりの物置小屋だけ。
だが、コレットは絶望することなく、着ていたドレスを切ってベッドを作り始めることに……
「藁のベッドで寝てみたかったのよね。」
そこからコレットは唯一持ってきた品を売って資金を調達。
さらに自ら変装して本邸へ潜入し、夫の愛人アリスの専属侍女・アレットとして働き始めて……
傲慢な夫と、わがままな義妹。
二人の日常は、小説のネタの宝庫だった。
「せっかくだし、小説を書きましょう。名前は“お邪魔虫夫人”がいいわね。」
こうして書き上げられた物語は朝刊小説として貴婦人たちの間で瞬く間に大人気となり、「お邪魔虫夫人」の名は国中へ広まっていく。
そして誰も気づかないまま、小説に綴られた数々の出来事が、やがて王国に隠された数々の汚点を白日の下に晒していくことになるのだが……!?