王弟の娘、リリアンヌ。
彼女は父親に溺愛されるあまり、屋敷に隠されて育てられてきた。
外の世界を知らず、
人を疑うことも、誰かに頼ることも苦手な彼女は、
小さな一歩をきっかけに人と出会い、失敗し、
ときに周囲を振り回しながら、多くのことを知っていく。
穏やかに過ぎていく日々の中で、
積み重なった想いは、やがてそれぞれに違う形を持ちはじめる。
出会う者たちは、彼女のつくる優しい時間に惹き込まれ、
同時に、その危うさに心を揺さぶられていく。
その裏では、
小さな綻びもまた、静かに広がりはじめていた――
それはやがて、
ひとつの国の形を変えていく。
これは、
ひとりの少女を中心に人々が繋がり、
ひとつの王国が少しずつ変わっていく物語。