私は、何にも物怖じしない「悪役令嬢」に憧れ、憧れ、のめり込んだ。
神様の計らいで、念願のゲーム世界へ転生。……でも、違った。
全然、違ったのだ。
悪役令嬢は「推す」ものであって「なる」ものじゃなかった。
常に誰かに嵌められ、針の筵(むしろ)に座らされるドロドロの人間関係。
「……もう嫌ぁ!
絶対に悪役令嬢なんてやってらんない!」
私は決めた。今度こそ、自由に生きる。
領地を豊かにし、誰にでも親切にして、みんなから讃えられる聖女のような存在になってやる。
なのに。
「……あれぇ?
みんな、どうしてそんなに震えてるの?」
道路を整備するために山を一つ消し飛ばしただけ。
領民の雇用を守るために、不当な商会をちょっと……徹底的に潰しただけ。
恐ろしいことなんて、一つもしてないはずなのに。
「お前との婚約を解消する」
響き渡る、お決まりの冷たい声。
テンプレ回収?
待って、おかしい。変だよ。
私、もしかして呪われてる!?