数十年前にアニメに登場した“没入型バーチャルゲーム”は、当時こそ夢物語だった。だが――年月が経ち、ついにその技術は現実のものとなった。
数年前、世界初の完全没入型VRシステムが登場し、誰もが「ついに来たか」と歓声を上げた。けれど、対応ゲームが少なく、一般層には広まらなかった。
そんな停滞を打ち破ったのが、日本の新興企業《リアルリンク社》が開発した新作――《ヴィジオン》だった。
ヴィジオンの世界では、現実の地球とは異なるもう一つの地球が存在する。太平洋の真ん中に突如現れた巨大な島、大陸級の「アルカディア」。そこにはプレイヤーたちの築いた都市が並び、経済も文化もリアルそのものだった。
しかも、この世界で得た収入は現実で“換金”可能。ゲーム内通貨1ユニ=現実の十分の一の価値として使えるとあって、世界中で社会現象になった。