「……あ~あ、アイファ先輩におち〇ち〇が生えてれば良かったのに。そしたら今頃あたしたちは……ポッ♡」
……どうやら私は、妹分たる少女に性的に見られているようだ。
これは神聖国家ハイラルディンでの出会いに起因する少女との話。
そこは争いが絶えなかったこの世界を平定し、人々に恒久の平和をもたらした男、神帝を自称するフォルグが住まう街だが、そこが男のためだけの理想郷(ディストピア)――他人を自分にとって使えるか否かだけで判断し、使えなければ問答無用で切り捨てるという、男のエゴの集積所だと知るのは、私の他には私の先輩しかいない。
だからと私たちはこの手であの男の支配を絶つと、事実を知らず食い物にされている少女たちの尊厳を守ると誓い、私は中から、先輩は外から変えようということになっていた。
しかし、そんな奴は信仰の名のもとに事実を隠し、過去の功績によって未だ多くの者から尊敬を集めているので、真実を公表したところで糾弾されるのは私たちの方と、内側での仲間集めには時間がかかってしまっていたが、そんな誓いから3年の月日が経ったある日、私はとうとうその妹分と出会うことになる。
「な~んかあいつ、胡散臭いんだよな~」
それはその少女が発した言葉。
その不敬さに周囲はざわめき、なんと不遜なと憤る気持ちが溢れる中で、それを諫めた私であったが……フォルグ打倒の意思を持ってくれそうな彼女こそは、私が待ち望んでいた相手。
だからと私は彼女に賭けて、私の胸の内を、『私にはお前が必要なのだ』という想いを伝えると、「いいですよ。先輩なら」と言ってくれ、私たちは運命共同体となったのだが……
何で急に服を脱ぎ始めたんだ? お前は。
「だって、先輩はあたしが欲しいんでしょ? だったら……ポッ♡」
違う、そうじゃない。
私が変えたいのは女同士で結婚できない制度ではない。
打ち壊したいのは同性愛への差別ではない。
頼む、聞いてくれ!
私はこの件に本気で取り組もうとしてるんだぁぁぁ!!
そうして始まる世界を変えようという暗躍は……心配の種しかありませんでした(-_-;)