気が付くと、男はダンジョンコアになっていた。
身動きすらできず、ただ自分の領域であるダンジョンの中のみを知覚する事しか出来ない中、初めての侵入者がやって来た。
「……ウホ?」
(……原始人じゃねーか!?)
毛皮で身を覆い、石槍や石斧を持った彼らに、ダンジョンコアとなった男は状況を否応にも理解させられる。
一方、遥か未来。
ごく普通の高校で、日本史の授業が始まろうとしていた。
「これから一年間、皆には社会科の内で日本史を学んでもらう。
日本史というのは、世界中から見てもかなり特異な経緯をたどっている。
それが何故か判るかな?」
「えっと、ダンジョンがあるから?」
何故か古代の日本にダンジョンコアとして転生してしまった男と、ダンジョンに翻弄され翻弄する日本の歴史を語る教師。
コレはそんな二人の視点で綴られる物語。