仕事に忙殺されていたプログラマ『ナルシマカナメ』は、29歳の誕生日に死んだ。
目が覚めると、そこはかとなく女神感が漂う美しい女性から偶然にも第二の人生を与えられ、彼は世界を魔族から救うことを懇願されたのだった。彼女は精霊の王だという。
そして語る、この世界に神はいない。
そして曰く、このままでは世界は滅びる。
そして嘆く、強力な装備や能力を与えるなどは出来ない。
そして脅す、世界を救わないのならばひどい目にあわせる。なんなら拷問。
そして呟く、「間違えた」「失敗した」「あまりにも危険よ」
一人モンスター蔓延る荒野に(手違いにより)降り立つと、そこで出会った「黒の聖女様」をその身と記憶に焼き付ける。聖女から託された【聖剣】と、望まぬ転生を受け入れる事と引き換えに手にした【精霊王の加護】が偶然にも彼の二度目の人生に光を灯した。
運命の悪戯により強い力を持てなかったカナメ。彼は弱肉強食の世界で更なる窮地に陥ったことから、前世の知識と経験により特殊スキル”リターン・エイティーン”を習得し、物語はさらに加速していく――。
膨大な魔力を持ちながらもろくに魔術を制御できないという少女と出会い、転生者の第二の人生は申し訳程度に彩を取り戻す。
唾棄したくなるような始まりと恥と痛みを経験する日々だったが、出会う人や場所。ひいては世界が段々と好きになっていく。
そんな彼が世界を救う物語だ。
旧題:この世界の神さま! (タイトル変えました)
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