第二次世界大戦の最中、地球へ接近した巨大彗星から二つの隕石が落下した。
隕石がもたらした未知の物質――《魔素》。
魔素によって動物は異形の《魔物》へと変貌し、人類にもまた、魔力を操る者たちが現れた。
やがて世界大戦は魔物の出現によって終結。
それから八十年以上。
魔物が存在することが当たり前となった現代。
人々を魔物から守る者たちは《ディフェンダー》と呼ばれていた。
幼い頃、魔物によって両親を失った少年――朝倉蓮。
自分を救ってくれたディフェンダーに憧れ、いつか自分も誰かを守るため、幼い頃から努力を重ねてきた。
そして十五歳。
蓮は念願だったディフェンダー養成校への入学を果たす。
しかし、彼には致命的な問題があった。
《魔素適性――21》
ディフェンダーとして認められる最低基準は20。
蓮の適性は、文字通り最低ラインだった。
身体能力も養成校では平均程度。
魔力量も少ない。
誰が見ても、ディフェンダーとしての才能には恵まれていない。
――それなのに。
「……なんで適性21の奴が、あんなに戦えるんだ?」
蓮は、異様なほど実戦に強かった。
本人すら知らない、その理由。
八十年以上にわたり、人類が《魔法》だと信じてきた力。
そして、歴史上誰にも観測されなかった第三の隕石。
人類はまだ知らない。
魔素だけでは、本当の魔法は完成しないことを。
最低適性と呼ばれた一人の少年が仲間たちと共に成長し、
やがて世界が知らない《本当の魔法》へと辿り着く。