この国に咲く黒薔薇には、魔力が宿っている。
そう伝わるロヴュソール王国にて一際目立つ塔――そこには、身に『魔妃オプスキュリア』を宿された少女、『エルマ』が幽閉されていた。
オプスキュリアの魔力によって彼女の寿命は何倍にも引き延ばされ、年老いることもなく、金色の髪だけが際限なく伸び続けていた。それこそが、エルマが『髪長姫』と称される所以だった。
エルマに、そしてオプスキュリアへの接見を許されているのは国王と、少年騎士『エバン』のみ。
魔族による侵略が進む世界において、エルマは救世主となるのか。
金色に煌めく御髪に魅せられし者、その先に待つのは幸福か、破滅か。