公爵令嬢のエーヴァ。しかし彼女は家族に虐げられ、使用人たちから「物置令嬢」「引きこもり令嬢」と呼ばれ蔑まれていた。
王国では『神託で名前を上がった者は、聖務者として泉に身を投げよ』という伝承がある。数百年に一度の神託が、この度降りたのだという。聖務者として名前が上がったのは、妹のリリスだった。
リリスを失いたくない家族は、姉のエーヴァをリリスの代わりにしようと企む。そしてその試みが発覚することなく、エーヴァは泉に身を投げる。水に放り出された彼女を助けたのは、湖底にある街を管理しているアダンだった。
二人はすれ違いながらも一歩一歩仲を深めていく。しかし、湖底の街にもエーヴァの家族の手が段々と伸びていきーー。
私だって、「愛する皆」を守るの。だって、私の居場所はここだから!
虐げられた令嬢が愛を知り、自分の足で立ちあがろうとする成長物語です。