男女比1:1000。
男が極端に少なく、保護され、愛されるのが当たり前の世界。
そんな世界に転移した俺は、理由もなく好意を向けられ、
「兄様」と慕う妹と、過剰なほど優しい母に囲まれて暮らすことになった。
——だが、俺は誰も信じない。
元の世界で、親友だと思っていた人間に刺されかけ、
その刃から俺を庇った母は死んだ。
刺した理由は勘違い。
悪い偶然が重なっただけらしい。
本人は今も「どうすればよかったのか」分からずにいるらしい。
……だから何だ。
母は死んだ。
そして知ってしまった。
刺した相手もまた、この世界に転移しているという事実を。
復讐できる。
終わらせることができる。
それならきっと、
この歪んだ思考も少しはマシになるだろう。
これは、
愛される世界で誰も信じず、
許さないことを選んだ男の物語。