過酷な環境で育ち、生への執着を失っていた彼女は、絶体絶命の状況でも「どうせ死ぬなら楽に死にたい」と虚無の極みにいるレイ。
そんな彼女を拾ったのは、王弟にして国最強の騎士団長、ジルベルト。
眼光だけで人を気絶させる威圧感を放つ彼に対し、レイは恐怖するどころか「筋肉がすごいですね」と無表情。
その胆力(※ただの無気力)を気に入られ、レイは騎士団の雑用係として雇われることになる。
掃除をするだけで瘴気を浄化し、騎士たちの胃袋とメンタルを癒やしていくレイ。
しかし本人は「いつクビ(処刑)になるか」と勘違いし、今日も淡々と遺品整理の準備を進めていた(ほぼ物ないですけど)。
一方、ジルベルトには秘密があった。
強すぎる魔力の反動で、夜になると「狼」の姿になってしまうのだ。
そんなこととはつゆ知らず、レイは夜な夜な現れる狼(団長)をモフりながら、とんでもない本音を漏らす。
「今日のご飯、豪華だったなぁ。……やっぱり、太らせてから食べる気だよね?」
「死んだら私の肉食べてもいいぞ」
(死ぬな!
餌付けだ!
頼むから生きてくれ!!)
これは、死に場所を探す虚無な聖女と、彼女の「遺言」を毎晩聞いてしまい、必死に彼女を甘やかして生き延びさせようとする最強騎士団長の、全力すれ違いラブコメディ。
※周囲の騎士たちは、いつまでもくっつかない二人に毎日やきもきしています。