「セレスティア公爵令嬢!
貴様との婚約は今この場をもって破棄する!」
王立学園の卒業パーティー。
完璧な公爵令嬢である私、セレスティアは、バカ王子から突然の婚約破棄と辺境への追放を言い渡された。
理由は、私が純真無垢な光の聖女・アリスをいじめたからだという。
(……やれやれ。これで面倒な王妃教育から解放されますね)
淡々と追放を受け入れ、立ち去ろうとしたその時。
王子の腕の中でショックを受けて泣き崩れているはずのアリスが、私に向かって満面の笑みで『両手ガッツポーズ』をしているのが見えた。
……えっ?
翌日。追放先のド田舎に向かう私の馬車には、なぜかウキウキで荷物をまとめたアリスが乗っていた。
「どうして国を守るはずの聖女がここにいるんですか!?」
「だって、セレスお姉様がいない国なんて滅びればいいからです!
さあ、新天地で私とイチャイチャスローライフを始めましょう!」
実はアリスの正体は、私に異常なまでの執着を抱くヤバすぎる狂信者だった。
彼女は私を王子から奪い、二人きりの生活を手に入れるため、緻密な計算で『悲劇のヒロイン』を演じ、すべての婚約破棄イベントを自作自演していたのだ!
そんなアリスのヤバい本性に全く気づかない私は、「王子に脅されて逃げてきたのね、可哀想に。私が守ってあげなきゃ!」と盛大に勘違い。
辺境では、私の実務知識と「お姉様に褒められたい!」というアリスの規格外の光魔法が合わさり、寂れた土地はあっという間に超大国へと発展していく。
一方、実務を担っていた私と、結界を張っていたアリスを同時に失った王国は、あっけなく機能不全に陥り崩壊の危機に。
慌てて王子が私たちを連れ戻しに来るが——。
「私のセレスお姉様に気安く話しかけないでくださる?
この汚物が」
純真な皮を脱ぎ捨てた聖女の容赦ない制裁が、バカ王子に降り注ぐ!
これは、無自覚に聖女を甘やかす有能悪役令嬢と、彼女のためなら国一つ平気で滅ぼす重すぎる聖女の、勘違い&領地開拓・百合コメディ!