大陸中央に存在する未到達地帯――“深淵域”。
そこから溢れる魔素によって生まれたダンジョンと魔物により、世界は繁栄と脅威を同時に抱えていた。
魔法と魔術が発展したアルデバラン王国。
地方領主ゴールド家の三男、レイ・ゴールドは周囲から“ぐうたらな放蕩貴族”として認識されていた。
だがその正体は――現代日本からの転生者。
失われた古代魔語――つまり日本語を自在に操り、現代では再現不可能な超高効率魔法や魔術を使いこなす規格外の天才だった。
自動加熱浴槽。
遠距離通話結晶。
冷却保存庫。
彼が趣味で作った魔道具は、謎の錬金術師“ドルーゴ・イレ”の作品として超高額で取引され、個人資産は国家予算級。
しかし本人はそんなことより、
「働かずにのんびり暮らしたい」
という怠惰な願望を最優先。
今日も専属メイドで幼馴染のエミリーに怒られながら、快適生活のための魔道具開発に励んでいた。
……その裏で。
盗賊や腐敗貴族を闇から裁き、
孤児や貧民を救い、
街を襲う魔物を討伐し、
ダンジョンを攻略していく。
その活躍に、人々は気づき始めていた。
「ドルーゴ・イレって、たぶんレイ様だよな?」
「いや本人隠したがってるし黙っとこう」
――これは、
表向きはぐうたら貴族。
裏では英雄。
なのに本人だけは正体が完璧に隠せていると思い込んでいる青年と、
そんな彼を支える美人メイドの、
のんびり日常系(時々ダンジョン攻略&世直し)ファンタジー。