妻アヤメを亡くして十三年。四十八歳のユーサクは、医大生となった息子カヲルを育て上げ、個人投資家として静かな日々を送っていた。だがある日、長らく放置していたインスタグラムに、一通のDMが届く。
「会いたい。ゆうちゃんに会いたい。今すぐ会いたい。今すぐジョージアまで会いに来てほしい」
送り主は、大学時代に愛しながらも別れたジョージア人留学生、アナスタシアだった。二十八年ぶりの再会を願う彼女からの突然の呼びかけに、ユーサクは胸騒ぎを覚え、迷うことなくジョージア行きの航空券を手配する。
美しいジョージアの風景の中で、二人は再会し、過去の後悔と向き合い、再び愛を紡ぎだす。しかし運命は、彼らにあまりにも残酷な試練を用意していた。
亡き妻への想い、息子への愛情、そして、人生でただ一人、心の奥底から愛した女性への想い――。
これは、時を越えて再び巡り会った男女が紡ぐ、究極の純愛物語。
愛する人を失った者だけが知る痛みと希望を描く、ジョージアを舞台にした長編恋愛小説。白い百合の花に託された祈りが、静かに、そして切なく心を揺さぶる。