冒険者のアルは索敵能力に優れた風の精霊シーレを使役する召喚士の青年。その能力を買われてパーティ《双炎の牙》と共にダンジョンに潜るが、彼らに裏切られて奥地を彷徨うことに。
その途中、神獣と名乗る獅子と出逢い契約を交わしたアルは、膨大な魔力を引き換えにして圧倒的な力を手に入れた。
数々の召喚獣を使役し、魔王を滅ぼしたという聖王。幼少期に憧れた伝説。一度は諦めた夢を再度追いかけるべく、各地のダンジョンを巡る。同じように封印された神獣を助け出し、次々と契約を交わしていく。
人とは価値観の違う神獣たちとの旅の中で起こる数々の事件。立ち塞がるさまざまな障害。
巨大組織の影、偽りの聖王伝説。そして、過去との決別。
それら全てを仲間と共に乗り越え、成長していく。自身の行動が世界を大きく動かしていることに気づかぬまま――。
これは底無しの魔力を持って生まれてしまったがために心に深く傷を負った青年が、世界を旅してさまざまな経験を積み重ねて心を育んでいく成長譚。