『――殺すつもりはなかったんです……(本当)』
――冒険者になりたいだけなのに、なぜか裏社会で最強の暗殺者になってしまいました。
ルイスの夢は、冒険者になること。
祖父から狩猟技術を叩き込まれて育った彼は、意気揚々と故郷を旅立った。
――が、盛大に道を間違え、辿り着いたのは冒険者の集う王都ではなく、敵国の帝都。
しかも、冒険者ギルドと勘違いして入った場所は、裏社会を牛耳る暗殺者ギルドだった!
脱退すれば殺される。
仕方なく、生き残るため、ルイスは凄腕の暗殺者として振る舞うことにした。
だが、本人には自覚がない。
気配を消すのも、獲物を仕留めるのも、彼にとっては祖父に教わった「いつもの狩り」にすぎないのだから。
「……あの距離から仕留めただと?」
「気配がまったく読めなかったぞ……いったい何者だ!?」
本人が普通に行動するたび、周囲は戦慄。
本人が何気なく口にした言葉は、深遠な策略として解釈される。
そして、誤解が誤解を呼ぶうちに、"狩人(ハンター)の二つ名は裏社会に轟いていく。
――いや、僕はただ冒険者になりたいだけなんだけど!?
目立てば面倒が増える。
活躍すれば評価が上がる。
評価が上がれば、ますますギルドを辞められない!
果たしてルイスは、裏社会の伝説になる前に、憧れの冒険者になれるのか?
本人は平穏を望んでいるのに、周囲が勝手に恐れ、勝手に祭り上げる!
うっかり青年の望まぬ出世と生存を描く、勘違い無双コメディ!