【短いあらすじ】
切り捨てられた元ブラック配信クランの裏方。彼が触れたのは、脱げない白いキグルミ。「キュー」しか言えないキューちゃんのダンジョン配信ファンタジー。
【ふつうのあらすじ】
悪徳ダンジョン配信チーム《デッドライン》で、専属裏方兼カメラマンとして働いていた男は、高難度の野良ダンジョンで事故に遭い、救助より撤収を優先したクランに切り捨てられる。
仲間も、仕事も、帰る道も失った彼が、死にかけた先で見つけたのは、謎の白いキグルミだった。
装着した瞬間、キグルミは脱げなくなった。
しかも、人語が喋れない。口から出るのは「キュー」だけ。
なのに、身体能力は異常。
くしゃみで魔物を吹き飛ばし、拳ひとつでSランク級の竜を撃破する。
本人はただ帰りたい。静かに休みたい。
けれど、配信ドローン《フライ》がその姿を映し続け、視聴者たちは叫ぶ。
『なんだこいつ』
『キューちゃんかわいい』
『でも強すぎるだろ』
さらに、野良ダンジョンで出会った少女・鬼無里こよみが、キューの無言や仕草を勝手に前向きに誤読していく。
「キューちゃんは、世界のすべてを守るって言ってるよ!」
違う。
そんな格好いいことは言っていない。
でも、目の前で誰かが危ないなら、放っておけない。
これは、呪いでキグルミが脱げなくなった元社畜が、本人の意思とは関係なくマスコット扱いでバズっていく勘違いダンジョン配信ファンタジー。