共同創業者に裏切られ、会社を奪われかけた45歳の経営者は、過労の末に倒れた。
次に目を覚ました時、彼は異世界の没落領主の息子になっていた。
だが、12歳で授かった神授スキルは、最悪のハズレと呼ばれる《綻びの目》。
人や物や組織の“壊れる前兆”が見えるだけ。
歴代の所有者も、見えるだけで何も変えられず、嫌われ、潰れ、消えていったという。
――だが、それがどうした。
前世で人の裏切りも、帳簿の歪みも、金の漏れも、組織の腐りも嫌というほど見てきた男にとって、そのスキルはむしろ最高だった。
見えるなら、証拠にできる。
証拠にできるなら、切れる。
切れるなら、奪い返せる。
奪い返せるなら、立て直せる。
腐敗した家臣、横流しされる物資、崩れた徴税、水路、兵糧。
終わったと思われた領地で、ハズレスキルは最強へ変わる。
これは、壊れた人生をやり直す男が、《綻びの目》と経営者の知識で領地も組織も再建していく異世界逆転譚。