守若秀には、学校一の清純派アイドルと呼ばれる後輩――神楽坂玲奈がいる。
誰にでも優しく、いつも笑顔を絶やさない玲奈だが、なぜか秀にだけは冷たい。気安く話しかけるな、余計な世話を焼くなと拒絶されながらも、秀は大切な後輩との関係を諦めきれず、何度も歩み寄ろうとしていた。
しかしある日、玲奈から「親しい顔をして近づいてくるのは迷惑」と、周囲の前で強く拒絶されてしまう。
ついに心が折れた秀は、玲奈のためにも、これからは赤の他人として接することを決意する。
翌日から、秀は玲奈へ挨拶をせず、困っていても手を貸さず、廊下ですれ違っても視線すら向けなくなった。
玲奈が望んだはずの距離。
けれど、秀の優しさが日常から消えていくにつれ、玲奈の心は少しずつ曇り始める。
実は玲奈が秀にだけ冷たくしていたのは、嫌いだからではなかった。
本当は誰よりも秀が好きで、もっと自分を見てほしくて、構ってほしくて、わざと冷たい態度を取っていただけだった。
何度拒絶しても、秀なら離れない。
そう信じて、彼の優しさに甘え続けた結果、玲奈は自ら最も大切な人を遠ざけてしまう。
赤の他人になった先輩と、今さら素直になれない後輩。
すれ違った二人の関係は、もう一度やり直すことができるのか――。