英雄パーティ『太陽の槍』は――たった一人の男のミスで全滅した。
唯一の生き残り、ダンスタン(42)は罪の意識に苛まれ、辺境の街で無気力な日々を過ごすCランク冒険者。
過去を捨て、ただ死んだように生きていた彼の前に、一つの巨大な卵が現れる。
卵から生まれたのは、銀髪赤眼のドラゴンの娘クータル。
「ぱぱ!」――その一言が、止まっていた彼の時間を再び動かし始めた。
さらに、心を閉ざしたエルフのピヒラ、追われる獣人のミーシャと、帰る場所のない少女たちを次々と保護し、彼のボロ家は不器用で温かい「家族」で満たされていく。
だが、娘たちが秘める力は文字通り「規格外」。
良かれと思った行動が街を巻き込む大騒動に発展し、ダンスタンが望んだはずの平穏なスローライフは音を立てて崩壊していく。
そして、その規格外の力は、彼の忌むべき『過去』の因縁と、巨大な悪意を引き寄せてしまう。
これは、全てを失った男が、かけがえのない家族を守るため、再び【英雄】の力を振るう物語。