クレーンゲームで、勝敗が決まる世界がある。
ゲームセンターは遊び場ではない。
そこは、運・技術・知識、そして人間の欲望がぶつかり合う競技場だ。
その中で、一人の少女――昏華すき(くれげ・すき)は、
クレーンゲームにだけ、強い違和感を覚えていた。
アームの動き。
景品の揺れ。
重心のかかる位置。
なぜか彼女には、
「次にどうなるか」が感覚的にわかってしまう。
だが本人は、その才能を自覚していない。
初手ワンパンで景品を獲得する幸運少女・天秤沙希。
元フィギュアスケート選手で、精密操作を誇る理論派・雨瑠凛。
これは、
クレーンゲームしか取り柄のなかった少女が、
無自覚なまま“最強”へと近づいていく物語。