バケモノ、失敗作と実父から蔑まれてきた貴族令嬢ラーベ・クレエアは、高慢な妹の代わりに辺境伯家へと嫁ぐことになる。
両家の関係を憂う君主からの取りなしであったが、事実上の政略結婚だった。
初夜を控えた夜、寝室に突然現れた辺境伯にして夫エドガー・ハイネマンは、ラーベに「お前を愛することはない」と告げる。
だが、ラーベは夫の身形や言動から推理を展開。
彼がこれから大きな事件へ挑もうとしていることを看破してしまう。
そう、ラーベは〝謎〟を前にすると我慢が利かなくなる名探偵令嬢だったのだ!
かくして辺境伯の妻としての地位に収まった彼女は、行く先々で出遭う殺人事件を解決し、実家が企てる策謀や〝結社〟と呼ばれる秘密組織の暗躍を暴いていく。
ときに可憐に、ときに目映く躍動する彼女に強く惹かれていく辺境伯。
これは不憫な令嬢が、ただ思うがままに謎を解く。
そんなありふれた人生と幸福の物語である。
※第一部 『名探偵令嬢、辺境伯家に嫁ぐ 編』完
※第二部 『名探偵令嬢、帰る場所を手に入れる 編』完
※第三部 更新開始!
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