貧しい村で育ったアリアは10歳の時、国を救う聖女であると予言されて教会に引き取られた。
しかし17歳になって聖女になるための儀式をおこなうと、
得られた能力は癒しの力ではなく「手のひらからお菓子を出す能力」だった。
役に立たない偽聖女と断罪され、婚約破棄の上、国外に追放されてしまう。
愛する両親に二度と会えないと嘆き悲しんだアリアだったが、さらに不幸が襲う。
隣国への追放ではなく、魔物が住む魔の森への追放だったのだ。
森の中を逃げ回るアリア。
そんな時、冒険者風の青年と出会う。銀髪に赤い瞳をした美形だったが、大怪我で死にかけていた。
彼の最後の言葉「プリンが食べたい」を聞き、望みをかなえてあげようとプリンを食べさせたら、なぜか全快。
彼は命を救ってくれたアリアに心酔し、忠誠を誓う。
この出会いがアリアをどん底から救っていくのだった。