終身奴隷として鳳凰族の実験施設に囚われていた人間のリフは、獣人が理性を保つために必要不可欠な薬物ルーメンを精製するための実験体だった。
ある日、リフは獅子族の助けによって施設から逃亡する。
だが、自由を求めて手にした外の世界は、奴隷にとって優しいものではなかった。追手から逃れ、生き延びるため、リフは獣人に身体を売り、身を削りながら逃亡生活を続けていく。
そんな中、リフは蝙蝠族の青年ゼルと出会う。世間知らずで不器用なゼル。彼の正体は、祖国を追われた竜族の王子。
追われる者同士として旅を共にする中で、ゼルは世界の歪みを知っていく。
ルーメンがなければ、獣人は理性を失い暴走する。そしてその薬は、人間の犠牲によって成り立っていた。
人間は物のように売買され、終身奴隷は死ぬまで所有される。
リフもまた、この世界に人生を奪われ続けてきた一人だった。
他人を拒み、諦めることでしか生きてこられなかったリフと、そんな彼を放っておけないゼル。
共に旅をするうち、孤独だった二人は少しずつ惹かれ合っていく。ただ、リフを本当の意味で救うには、逃げ続けるだけでは足りない。
終身奴隷というこの世界の理そのものを覆すため、ゼルはやがて四神獣の王となる道を選び始める。
世界に奪われ続けた奴隷と、世界を壊すと預言された王子が出会い、運命を覆していく物語。