魔法を恐れる祖国で、
「魔法が使える」という理由だけで虐げられ、捨てられた五歳の少女――エリシア。
孤独の中で彼女を救ったのは、人間が恐れる最強の存在、黒竜王ゼノンだった。
「ならば、お前は今日から私の娘だ」
黒竜王家の養女となったエリシアを待っていたのは、初めて知る家族の温もり。
優しい父と母。
自分を本当の妹として愛してくれる兄と姉。
そして、人間には見えない不思議な妖精たち。
家族と同じ景色を見たい――。
その小さな願いから始まった研究は、やがて世界初の「妖精眼鏡」を生み出し、何百年もの間、光を失っていた人々に再び希望をもたらしていく。
かつて人間であることを不安視された少女は、いつしか国中からこう呼ばれるようになる。
――竜姫。
これは、居場所を失った一人の少女が、
本当の家族と出会い、愛される幸せを知り、
やがて黒竜国すべての民から愛される姫となるまでの物語。