――これは、二十年間復讐を遂げるためだけに生きて来たエルフの娘が、ある喫茶店と出逢い、“美味しい”を知り、幸せを取り戻すまでの物語――
*
『――生きて。どうか、幸せに』
大陸屈指の軍事大国、ガルノード連邦。
その南部に位置する森林高原地帯に自治領を有していた少数民族『エルフ』の少女エルフリーデは、家族や友人達とともに、貧しくも幸せな日々を送っていた。
しかし、その暮らしは突如襲来した連邦軍による大虐殺によって幕を閉じる。
それから二十年。
惨劇から生き延びたエルフリーデは復讐を果たし、同じく生き永らえ各地へ散った同胞達を救うため、仇である筈の連邦軍に入り、若くして頭角を現していく。
やがて活躍を認められ、首都に栄転を果たした彼女は、志を同じくする仲間達と本格的な復讐計画を練るために、とある古めかしい喫茶店を訪れるのだが……。
「――美味しい!!」
初めて出逢う料理、懐かしい味、心落ち着く優しい香り。
穏やかで柔和な老店主の営む喫茶店の虜になってしまったエルフリーデの運命は、どっちだ?
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