「『付与術士』だと? よりにもよってあの寄生虫のバフ魔法使いか?!」
王国有数の魔法を使う貴族家に生まれた少年キャシアスは【魔力無限】のギフト持ちで期待されていたが、ジョブ認定式で寄生ジョブと蔑まれるバフ魔法使い『付与術士』と認定されてしまった。
失望のあまり、父から着の身着のまま追放されたキャシアスは、やむなくギルドの片隅でひっそりバフ魔法をかける激安提供の「エンチャント屋」を営む(闇営業)ことにした。
しかし、バフ魔法である付与術は【魔力無限】のギフトによって、覚醒する。
「あれ? Lv1の【火属性付与】がまだ燃えてる……?」
「貰ったの3日前なんだけど、【闇属性】まだ効果が残ってないか?」
気づいた時には、ただの付与術が魔剣をもしのぐ性能となっていた。
だが、それに気づかないキャシアスは、いつの間にか格安で無自覚かけっぱ最上級エンチャント提供人として、怪物サポーターとして名を馳せることに!
そして、世界は知った。
【魔力無限】とバフ魔法『付与術』こそ、世界最強の組み合わせだったことを……。