神戸の女子高生・美羽(みう)は、イノシシから逃げている途中で一軒の雑貨店に迷い込む。それをきっかけとして出会った店主のことはに依頼され、彼女は店の仕入れを手伝うことになった。
そうして彼と共に雑貨店を出た彼女は、驚きに目を見開く。
「え、ここって……下関!?」
つい先ほどまで神戸の店にいたはずの彼女たちは、関門海峡のすぐそばに立っていたのだ。
「さあ、仕入れの旅の始まりですよ」
しかしことはは、おっとりと笑って呼びかける。美羽はあまりにも非現実的なこの事態に混乱しつつも、自分は今夢を見ているのだと、無理やりそう納得することにした。
東へ向かって、ふたりは旅をする。誰にも見えない、不思議な電車に乗って。旅の途中で出会った人たちと、ひととき心を通わせながら。
けれどやがて電車は神戸へとたどり着き、旅は終わった。ことはと別れ、いつもの日常に戻った美羽は、悩みながらもある決断を下すのだった。