ある日、私は仔猫を拾う。
向井道零。
独身。
男性。
中年。
私は親が遺した家に住んでいる。
自営業者というか、半自由業というか、まあフリーランスだ。
色々な頼まれごとを引き受けて生計を立てている。
向上心はさしてないほうかもしれない。
勤労意欲が旺盛だったらこんな暮らしはしていないだろう。
気になる人はいるものの、恋してはいない。
この年になると、片想いなんて面倒なだけだ。
不毛だし。
夢はない。
希望もとくにない。
丁寧になんて生きられない。
おそらく雑に生きている。
それでも、べつにつまらなくはない。
日々はそこはかとなく楽しく過ぎてゆく。
独身中年男性の雑な現状肯定だるふわライフ。
仕事は一応している。
猫もいる。