王都の魔導庁で保守主任を務めていたアシュレイ・グランは、結界、通信、水路、台帳管理といった都市機能の維持に尽力してきた。だが、新規魔導開発ばかりを重視する上層部にとって、障害を未然に防ぎ、起きても被害を最小化する彼の仕事は「地味で目立たない雑務」にすぎなかった。やがて王都で発生した大規模障害の責任を押しつけられたアシュレイは、崩壊寸前の辺境都市イルダンへ追放される。しかしその街は、通信障害、結界不良、水路トラブル、住民台帳の不整合など問題だらけだった。誰もが諦める中、アシュレイは現場を歩き、記録を洗い、関係者の証言を集め、原因を一つずつ切り分けていく。派手な魔法は使えない。だが、壊れた仕組みを直し、再発を防ぐことなら誰にも負けない。これは、王都で評価されなかった保守担当が、辺境都市を再建しながら本当の価値を証明していく物語である。
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