私がいま生きている皇国では、初代皇帝がもたらした異世界召喚の権能「聖女召喚の儀」が連綿と受け継がれ、毎年1人以上の聖女が召喚されている。そしていまや歴代の聖女は1000人を超えた。でもそれだけじゃない。私が物心ついてから十数年、なぜかそれだけの期間で300人以上もの聖女が異世界から召喚されているのだ。
そして最後に、ここからが超重要なのだけれど、このひとり語りはすべて私の走馬灯だ。私はこれから死ぬ。というかもう死んでると思う。クラス内で何十人もの愚かな聖女たちが起こした派閥争いの最中、圧倒的な聖属性の魔力がほとばしり、その余波を受けて私の全身は消滅した……。
はずだった。