燃料がない?
なら、宇宙に満ちる魔力を吸わせればいい。
撃てない主砲?
なら、巨大な魔導杖にすればいい。
棺桶と呼ばれた旧式戦艦?
なら、黄金の魔法陣を刻んで魔導戦艦に作り替えればいい。
魔力が枯れゆく世界で生涯を終えた大魔道士レオンは、宇宙戦艦が星々を渡る銀河世界に転生した。
しかもそこには、前世で飢えるほど欲しかった魔力が、宇宙そのものを満たすほど存在していた。
だが今世のレオンは、没落した辺境貴族の三男坊。
役立たずと見なされ、長兄から退役寸前の旧式艦ばかりを集めた第2艦隊――通称“ゴミ処理部隊”を押し付けられる。
艦は老朽化し、補給も予算も底をつき、兵士たちまで本星から見捨てられていた。
だがレオンには、まだ使えるものばかりに見えた。
壊れているなら直せばいい。
腹を空かせているなら、温かい飯を食わせればいい。
魔力が足りないなら――外にいくらでもある。
旧式戦艦《アーク・ロズベル》の炉心へ術式を刻み、主砲を巨大な魔導杖へ変え、灰色の船体に黄金の魔法陣を走らせる。
技術士官が頭を抱え、艦載AIが理解不能のログを吐く中、見捨てられていた艦と兵たちは本来の力を取り戻していく。
やがて鉄屑同然と笑われた艦隊は海賊を沈め、失われた拠点を取り戻し、辺境そのものを変え始める。
一隻の棺桶戦艦から、艦隊へ。
艦隊から、領地へ。
そして銀河へ。
これは、静かに星の海を旅したい元大魔道士が、見捨てられた艦と人を拾って直し、やがて銀河の常識まで変えていくスペースオペラ逆転劇。