とある何処かの森の中。
森の中で倒れていた俺はアールと名乗る不審な人物に突然饅頭を食わされた。その饅頭は脳が蕩けてしまうくらい非常に美味でとても素晴らしい食べ物だった。俺は饅頭を沢山食べれるという契約を持ちかけられたものの、契約を結ぶ直前に気が付いた。
俺自身の名前や記憶を、それら全てを覚えていない事に。
俺が記憶のない恐怖に襲われていると、うっかり食べていた饅頭を落としてしまう。すると落とした饅頭から足の生え、俺たちへと襲いかかってきたのだった。
どうにか饅頭を宥めた後、ひとまずはアールと2人で近くの町へ行く事に。
そしてたどり着いた町のギルドで俺の正体が判明したのだ。
俺は魔王を倒した勇者パーティーの1人だった。
そうして正体が判明し、一安心しながら宿に向かう途中。路地で大きな鏡を割る男に遭遇した。男はすぐさま逃げ出した。
しかし、割れた鏡に映っていたのは足のない俺。
アールは鏡に映っていなかった。
アールの映っている筈の位置には、吐き気を催す程のどす黒いうねりが鏡の中に映し出されていたのだった。
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*この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません